2019年3月16日土曜日

人ならざるものとの絆を描いた優しく美しいファンタジー

 今回紹介させていただくのは、こちら。

「猫と月の夜想曲」


 舞台となるのは、幼子の間に誰もが魔力を持つ小動物を魂の伴侶とする世界。
 主人公の女の子フィーナは同世代の皆が三歳までには魂の伴侶を得るなか、この世界でただ一人だけ、五歳になっても、まだ魂の伴侶を得ることが出来ずにいた。
 迫りくる期限。果たして、フィーナは魂の伴侶と巡り会うことが出来るのか。

 物語はフィーナが魂の伴侶を探す所から始まります。その様子が非常に柔らかなタッチで、描かれて行きます。読んでいてとても心地がよい。

 それは、文章から滲み出す優しさと、端的で的確な描写力があるから。
 無駄がないのに、豊かな情景を、複雑な心理を巧みに描写されていて、文体のテンポがとても素晴らしいです。

 フィーナをめぐる魂の伴侶の物語、最新話ではついに……。後は是非ご自身の目でお確かめください。


猫と月の夜想曲

2019年3月13日水曜日

極上のエンタメ小説と出会ってしまった。

今回、紹介したいのはこちら。

「ああ、我等は異世界入国審査官」

 舞台は異世界と繋がってしまった日本。
 異世界と繋がるゲートに、政府により新設された異世界入国管理局。そこで働く入国審査官が、この作品の主人公です。

 異世界に向かう人、異世界からくる人。
 そのすべてを審査していきます。
 異世界の危険人物の入国を水際で食い止め、違法な薬草を摘発し、科学技術の流出を阻止する。

 審査官達の苦労と笑いに満ちた活躍が生き生きと描かれています。

 飽きの来ないバラエティーに富んだ展開。随所に散りばめられた笑いのポイント。本当に、読んでいて何度吹き出したことか。
 そしてなんと、バトル要素まで!

 入国審査官に降りかかる数々のトラブル。
 読んでいくと、そのトラブルに時に笑い、時にハラハラします。

 これ、映像化したら絶対面白いです。

 リンクはこちら。
ああ、我等は異世界入国審査官

2019年3月9日土曜日

埋もれた名作

 今回紹介したいのは、こちら。

『この異世界によろしく -機械の世界と魔法の世界の外交録-』

 こちらの作品ですが、異世界と日本の平和的なファーストコンタクト物となります。異世界の伯爵令嬢と、日本の若手外交官の二人の視点をメインに、描かれて行きます。
 互いが互いの異世界を訪問し、それぞれの世界でカルチャーショックを受けていく。
 その描写が非常に丁寧かつ、リアリティーに溢れていて、物語の場面が、一つ一つ情景が目に見えるように想像させられてしまいます。ぐいぐいと引き込まれて、あっという間に最新話まで読んでしまいました。

 まるで、ファーストコンタクトのSF映画、それの異世界版映画を観ているような気持ちでした。もっと広まって欲しい。早く続きが読みたいと思わせる名作です。


リンクはこちら。
この異世界によろしく -機械の世界と魔法の世界の外交録-