勇者なんか嫌いだ
勇者とその取り巻きが組織化して強権を持ち、好き勝手している世界。
その世界で超一流の武器職人の息子だった主人公ケイ。
ケイは勇者達のせいで父親を亡くし、勇者への反感を募らせていた。
そんなある時、ケイは森で一人の少女ライラを助ける。
彼女こそ、勇者が倒した魔王の一人娘だった。
ケイはライラを助ける事を決め、勇者達への反旗を翻す。
丁寧に描かれる世界観。
そのなかで主人公ケイの、徐々に積もり積もって行く不満。勇者が持て囃され無体な振る舞いをする現状への反感と、生活のために自身も勇者達に尻尾を振らなきゃならない無念、それが真に迫って描かれる。
しかし、それも魔王の一人娘であるライラを助けたことで一変する。
生き生きとした登場人物達。
そしてケイとライラ、そしてケイの幼なじみであるアメリアとのラブラブしい会話が、重厚なストーリーと絶妙なバランスを形作っている一作。